AUD-01 AUDITORY UNITは、森野詩葉の左右耳から周囲の音を取り込み、方向感と会話音声をSHIHA COREへ届ける聴覚ユニットです。外装耳は受動的な音の入口としてだけ使用し、人工外耳道、密閉音室、MEMSマイク、基板、配線は内部フレーム側へ固定します。
外装耳 → 人工外耳道 → 密閉音室 → MEMSマイク
外装と内部フレームの隙間を音響空間にせず、入口からマイクまでを一つの閉じた音響経路として構成します。
AUD-01の役割
- 左右独立の環境音・会話音声入力を提供する。
- 左右の時間差と音圧差を保持し、音源方向推定へ利用できるようにする。
- 外装耳の形状を音響入口として利用しつつ、マイクを外装から分離する。
- ファン、サーボ、首機構、VOC-01による自己雑音を抑える。
- 外装を取り外してもマイク位置、音室、配線を維持する。
- 左右マイクをMIC-L / MIC-Rとして独立経路でBODY側へ接続する。
基本構成
| 構成 | 役割 | 取付境界 |
|---|---|---|
| Exterior Ear | 外界の音を集める受動的な入口 | 外装側。機器と構造荷重を持たない |
| Acoustic Inlet | 耳孔と人工外耳道を再現性よく接続する | 外装と内部フレームの境界 |
| Artificial Ear Canal | 入口音を密閉音室へ導く | 内部フレーム側 |
| Sealed Acoustic Chamber | マイク前面の音響条件を安定させる | 内部フレーム側 |
| MEMS Microphone | 左右の音を電気信号へ変換する | 内部フレーム側 |
| Mic PCB / Wiring | 信号処理・接続を行う | 内部フレームからHead I/O / HT-01へ |
外装と内部フレームの境界
外装耳と内部フレームの間には着脱のための隙間が必要ですが、その空間をそのまま音室として使用しません。耳孔からMEMSまでを閉じた経路にし、外装を装着したときだけ柔軟なガスケットで音響的に接続します。
- ガスケットは独立気泡系の柔軟材を基本候補とする。
- 外装着脱時に人工外耳道やマイクへ無理な荷重をかけない。
- 外装位置の小さな誤差をガスケットで吸収し、再装着後の音響条件をそろえる。
- 外装とフレーム間の空洞へ吸音壁・遮音シールを設ける。
- 顔・頭皮外装を外してもマイク、PCB、配線、音室を動かさない。
ガスケット材、圧縮率、接触幅、音響抵抗は未確定です。外装着脱性と密閉性を両立できる範囲を試験片で決定します。
左右独立構成
左耳と右耳は、入口、外耳道、音室、MEMS、信号経路を完全に独立させます。頭部内部で音室を連通させず、左右の到達時間差と音圧差を保存します。
| 系統 | 経路 | 原則 |
|---|---|---|
| LEFT | 左耳 → 左人工外耳道 → 左音室 → MEMS-L → MIC-L | 右系統と非連通 |
| RIGHT | 右耳 → 右人工外耳道 → 右音室 → MEMS-R → MIC-R | 左系統と非連通 |
- 左右の外耳道長、音室、MEMS位置、ゲインを可能な限りそろえる。
- 左右差をソフトウェアだけで補正する前に、機械・音響差を測定する。
- 組立・交換後は左右レベル、位相、ノイズフロアを再校正する。
- 左右信号を頭部内でアナログ合成しない。
密閉音室
密閉音室はMEMS前面の小さな空間を一定に保ち、頭部内の空洞や外装隙間による不規則な共鳴を避けます。音室を大きな共鳴箱として使うのではなく、左右で再現可能な入力条件を作ることを優先します。
- 音室とMEMSの音孔をずらさず、接着剤やガスケットで塞がない。
- 不要な鋭い共鳴を避け、会話帯域の明瞭度を確認する。
- 外耳道、音室、MEMSの接続部から頭部内音が侵入しないようシールする。
- 清掃・交換時に音室内へ異物を残さない。
- 音室容積と形状は実測比較後に確定する。
自己雑音と振動対策
| 雑音源 | 主な経路 | AUD-01側の対策 |
|---|---|---|
| NAS-01ファン | 構造振動・空気伝搬 | 防振、吸音壁、音室密閉、運転状態の参照 |
| EYE-01サーボ | 内部フレーム振動 | 取付部分離、配線固定、駆動タイミング記録 |
| 首機構 | FM-01 / HEAD-IF経由の振動 | 機械絶縁、接触部のガタ抑制、動作状態の参照 |
| VOC-01 | 空気伝搬・構造伝搬 | 音響経路分離、振動分離、AEC参照信号 |
| 配線 | 擦れ・引張・筐体接触 | サービスループ、固定点、可動部からの分離 |
吸音材だけで自己雑音を解決せず、発生源、伝搬経路、受音部を分けて対策します。吸音材の材質、厚さ、配置は、通気、発熱、整備性を含めて試験後に決定します。
VOC-01とAEC
VOC-01が発声すると、その音は環境音と同様に左右耳へ到達します。物理的な遮音で自己音声を完全に消すのではなく、VOC-01へ送った出力PCMを参照信号として使うAEC(Acoustic Echo Cancellation)と組み合わせます。
- VOC出力PCMをAECの基準信号として利用する。
- 物理分離で回り込みを減らし、残留成分をAECで抑える。
- AEC前の原音、AEC後の音声、発声状態を区別して評価する。
- 遅延、残響、下顎位置、外装装着、ファン状態ごとに性能を確認する。
- AEC実装方式と処理位置は未確定とし、Head I/Oまたは胸部側で比較する。
MIC-L / MIC-R接続
| 区間 | 接続原則 |
|---|---|
| AUD-01 | MEMS-L / MEMS-Rと必要な局所PCBを内部フレームへ固定する |
| Head I/O | 左右信号、電源、状態を管理し、左右独立性を維持する |
| HT-01 | MIC-L / MIC-Rを首可動部へ通し、電源・サーボ・VOC配線から分離する |
| HEAD-IF-01 | 通信系として着脱し、完全接続確認後に入力を有効化する |
| 胸部 / CORE側 | 収音、AEC、方向推定、音声認識へ渡す |
- MIC-L / MIC-Rを独立入力として維持する。
- VOCスピーカー線、サーボ線、ファン線から距離を取り、交差は最小化する。
- 首可動で配線が擦れたり引っ張られたりしないサービスループを設ける。
- 接続不良時は左右取り違え、片側欠落、ノイズ増加を検出できるようにする。
開発段階
| 段階 | 内容 | 状態 |
|---|---|---|
| AUD-P0 | 人工外耳道、音室、MEMS前面形状の単体比較 | PLANNED |
| AUD-P1 | 内部フレーム固定、外装ガスケット、シール、配線の統合 | PLANNED |
| AUD-P2 | ファン、眼球・瞼、首動作、VOC発声中の自己雑音試験 | PLANNED |
| AUD-P3 | 左右ITD / ILD、AEC、音声認識、方向推定の統合評価 | PLANNED |
試験項目
- MEMS単体の感度、ノイズフロア、周波数特性を測定する。
- 人工外耳道と音室を追加し、会話帯域と共鳴を比較する。
- 外装着脱前後で左右感度と周波数特性の再現性を確認する。
- ファン、サーボ、首、配線接触による自己雑音を個別に測定する。
- VOC-01発声中の回り込みとAEC残留音を評価する。
- 左右ITD / ILD、音源方向、会話音声認識を確認する。
- 分解・再組立後に左右校正が再現できることを確認する。
安全・保守
- 耳孔へ異物や清掃液を押し込まず、外装と音響経路を分離して清掃する。
- MEMS音孔を接着剤、塗装、ガスケット、吸音材で塞がない。
- 外装取り外し時にガスケット、外耳道、配線を引き裂かない。
- マイク交換後は左右識別、感度、位相、ノイズ、密閉を再確認する。
- ファンやVOCの異常音を環境音として誤認しないよう状態情報と照合する。
- 大音圧試験ではマイク定格と周囲の聴覚安全を守る。
現在の状態
| Record Status | CURRENT |
|---|---|
| Development Status | DESIGNING |
| 確立済み | 外装耳は受動入口、人工外耳道→密閉音室→MEMS、左右完全独立、内部フレーム固定、閉じた音響経路、MIC-L / MIC-R |
| 設計中 | 外装ガスケット、吸音壁、シール、防振、配線固定、VOC出力PCMを用いるAEC |
| 未確定 | 外耳道寸法、音室容積、MEMS部品、PCB、ガスケット材・圧縮率、吸音材、取付位置、AEC処理位置、合格基準 |
| 次工程 | AUD-P0用の左右同形試験体を作成し、外耳道・音室・MEMS構成を比較する |
公開画像は外装耳と音響経路の理解に必要な範囲をPUBLIC / CURRENT / CONCEPT VISUALIZATIONとして掲載します。内部マイク基板、配線詳細、実装上の秘匿情報はTECHNICAL EDITまたはINTERNALへ分離し、画像を仕様本文の代用にはしません。
関連ページ
- SHIHA HEAD UNIT / HU-00 — 頭部全体の統合正本
- FM-01 HEAD FRAME — 音室、MEMS、配線を支持する内部フレーム
- VOC-01 — 発声音とAEC参照信号を提供する発声ユニット
- NAS-01 — ファン・気流による自己雑音を管理する吸気ユニット
- HEAD-IF-01 / HT-01 — MIC-L / MIC-RをBODY側へ接続するインターフェース
- DEVLOG — 音室、周波数特性、自己雑音、左右差、AECの試験記録